食道がん転移・再発時の治療

食道がん転移・再発時の治療

発症の最大の原因は喫煙と飲酒とされています。

 

これらの習慣を両方とも持つと、食道がんの発症率は大変高くなります。

 

この場合、食道だけだなく、胃や喉(咽頭、喉頭)、口腔など、他の臓器や器官にもがんが発症することが少なくありません。

 

これはがんが転移するのではなく、喫煙と飲酒によりがんが発生しやすい状態にあり、第2、第3のがんが発生します。

 

食道がんは、周囲に広がりやすいがんです。

 

がんが成長すると、食道の壁を突き抜けて隣り合う臓器や器官の気管や肺、心臓、太い血管、神経などに浸潤していきます。

 

他方、食道には多数のリンパ管が走っているため、比較的早い段階でがんは、リンパ管を通じて食道の内側の粘膜に飛び石状に転移することもあります(スキップ転移)。

 

がん細胞が、血流に乗って、肺や肝臓、骨などにも転移することがあります(遠隔転移)。

 

局所進行がん・遠隔転移の治療

日本では、いままで、ほとんどの食道がんに対して手術を行なってきました。

 

最近、欧米の研究から化学放射線療法が有効であることが分かってきました。

 

これは、抗がん剤投与と放射線治療を併用する手法です。

 

がんが食道の周りの器官や臓器に浸潤している、局所進行がんでは、大きな手術を行なっても完治する可能性はあまり高くありません。

 

化学放射線療法も選択肢のひとつとなります。

 

食道がんに対する化学放射線療法では、一般に体外から放射線を照射します(外部照射)。

 

局所進行した食道がんの場合、完治は困難でも、化学放射線療法により平均して1〜2年の延命が可能と見られています。

 

化学放射線療法によってがんが小さくなったときには、手術を検討することもあります。

 

他方、肝臓や肺、骨に転移したときには、化学療法が中心となります。

 

食道がん再発の治療

外科手術を行なっても、再発率は30〜50%といいます。

 

化学放射線療法については、まだ十分なデータがないものの、手術と同じくらいの再発率と見られています。

 

化学放射線療法後に再発したときの治療法はまだよく分かっていません。

 

手術を行なうこともありますが、がんの状態や患者さんの容態を見て、慎重に検討します。

 

このような症例では、食道を完全に切除する手術は、技術的に難しく、また合併症を重くなるためです。

 

化学放射線療法後には、離れた臓器や器官に転移したときには、化学療法が中心となります。

 

手術で食道を切除した後の再発に対しては、症状をやわらげることを目的として、化学療法や放射線治療、化学療法などを行ないます。

 

食道がん緩和療法

食道がんが進行すると、がんによって食道内が詰まったり、放射線治療の影響で食道の内部が狭くなることがあります(食道狭窄)。

 

食道の通路を確保する

ステント術

細いチューブ(ステント)を食道に入れて、内部の空間を押し広げます。

 

バイパス手術

胃や小腸などを利用し、食道の狭くなった部分を迂回する通路(バイパス)を作ります。

 

放射線治療

放射線を照射してがんを小さくします。一般に体外から照射します。

 

レーザー治療

レーザーを照射し、食道内に詰まっているがんを破壊して、食物の通路を作ります。

 

すでに食道に放射線を照射しているときには、放射線治療は、受けることはできません。

 

また、ステント術も、放射線治療を受けた後では、食道から出血したり、ステントが剥れやすくなる危険があります。

 

口から栄養が摂れなくなったときには、体外から胃に小さな穴(胃ろう)をあけ、そこから栄養を直接胃に送ることもあります。

 

太い静脈に栄養を注入する中心静脈栄養法も選択肢のひとつとなります。

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