肝臓がんの転移・再発時の治療法
肝臓がん(肝細胞がん)
肝臓がん患者さんの80%以上は、C型肝炎ウイルスに15%は、B型肝炎ウイルスに感染しているとされます。
一般には、ウイルス感染から20〜30年かけて肝炎から肝硬変、さらには肝臓がんという経過をたどります。
肝臓の内部には、無数の毛細血管が走っているため、肝臓にひとつでもがんが生じると、それは肝臓内のあらゆる場所に転移します。
さらに肺や骨、副腎、腹膜、リンパ節などに転移することもあります。
肝臓がんは、非常に再発しやすいがんでもあります。
第1の理由は
毛細血管に富む肝臓内では、がん細胞が血流に乗りやすく、さらに血流に乗ったがん細胞が他の毛細血管にひっかかりやすいためです。
こうしてがん細胞が肝臓内の別の場所に移動し、後に再発した場合は肝臓内再発と呼びます。
第2の理由は
肝臓がん患者さんのほとんど肝炎ウイルスに感染していて、肝臓ががんになりやすい状態にあることです。
そのため、最初のがんを治療しても、第2、第3のがんが新たに発生することが少なくありません。
このようなあたらしいがんと再発を見分けることは困難です。
肝臓がんは、手術でがんを完全に切除しても、5年以内の再発率が70〜80%に達するとされています。
これは他のがんと比べると非常に高い数値です。
肝臓がんは、おもに肝臓内に再発しますが、肺や骨などに遠隔再発したり、肝臓内の再発と遠隔再発が同じに起こることもあります。
肝臓内にがんが転移・再発したときの治療
基本的に最初の治療時の選択と同じです。
肝臓がんの患者さんは、肝硬変を発症していることが多いので、治療法を選ぶときには、がんの数や大きさだけでなく、肝硬変であっても肝臓の機能がどのくらい維持されているかも重要な目安になります。
手術
がん数が3個以内でいずれも小さく、また肝臓の機能がよいときに検討します。
しかし、いったんがんが再発すると、再発治療後に再々発が起こる可能性が高く、手術も難しくなります。
そのため再発時には、ラジオ波やマイクロ波による焼灼法を選択することが多いようです。
電磁波による焼灼法
がんを熱で固めて殺す方法です。マイクロ波焼灼法があります。
電極をがんに刺し、マイクロ波やラジオ波を周囲に放射させます。
これにより、がん組織が過熱され、がん細胞が破壊されます。
肝動脈塞栓法
比較的大きながんに対して選択される方法です。
肝臓には、肝動脈と門脈(消化器官からの血流)という2種類の動脈が走っています。
しかし、肝臓がん(肝細胞がん)は、このうち肝動脈から大部分の血流を受け取っています。
そこで肝動脈に栓をして塞ぎ、血流を止めてしまいます。
するとがんは、血液から酸素や栄養を得られなくなり、死滅します。
正常な細胞組織は門脈からも血液を受け取っているので、この治療によって死ぬことはありません。
抗がん剤を注入してから、肝動脈に栓をして血流を止める手法もあります。
動注法
がんに酸素と栄養を与えている肝動脈に抗がん剤を直接注入する方法です。
使用する抗がん剤の種類は、病院によって異なります。
まず抗がん剤を肝動脈に注入してから栓をして塞ぐ「化学塞栓法」と呼ばれる方法も試されています。
生体肝移植
がんが他の臓器に転移しておらず、家族に肝臓の提供者がいるときには、生体肝移植も考慮することがあります。
遠隔転移の治療
がんが肝臓以外の臓器で再発した場合、化学療法の効果は期待できません。
積極的な治療をしても延命は難しいので、生活の質(QOL)を優先し、積極的治療を行なうべきではないとする医師もいます。
治療とともに対処療法も行ないます。
肝臓がんの患者さんの多くは、肝機能が低下しているので、しばしば肝臓を保護する薬を使います。
腹水が溜まったときには、利尿薬を使います。
肝がんの患者さんは肝機能が低下する上に出血しやすい状態になるため、輸血も行うことがあります。
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- がん患者さんは強い痛みを感じることが少なくありません。
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- 決して希望を失ってはいけません。
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- 再発したがん・転移したがんに対しては、初発時と異なり、 一般的には手術の適応は限られています。
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- 抗がん剤は、細胞の分裂をさまざまなタイミングで妨害して細胞を殺す薬。
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- 終末期における緩和ケア
- がんの終末期には、さまざまなケアが必要となります。