モルヒネが効かない痛みの治療法
鎮痛薬の効果が低い痛み
- がんが神経を侵しているために生じる痛み。
- 骨にがんが転移したときの痛み。
- 筋肉の引きつりなどによる痛み。
などがあります。
がんが神経を侵すための痛みの治療
がんが神経にも広がってこれを傷つけたり、神経を圧迫したりしたときには、鋭い痛みやチクチクした痛み、焼けるような痛みなどを感じます。
このような神経性の疼痛を持つ患者さんの半数は、モルヒネなどの鎮痛薬だけでは痛みが十分にやわらぎません。
神経性の疼痛は膵臓がんなどでしばしば見られます。
こうした痛みに対しては、モルヒネなどの鎮痛薬に加えて、抗うつ薬や抗けいれん薬などの鎮痛補助薬を使用します。
これらの薬は、神経が伝える痛みの信号を弱くするなどの働きを持つと見られています。
がんが神経を圧迫しているときには、ステロイド薬や放射線治療が痛みをやわらげる効果を持ちます。
がん患者さんの症状がよいときは、神経を圧迫するがんを取り除く手術も検討します。
薬では、鎮痛効果がないときには、神経ブロックや脊髄鎮痛法が有効です。
神経ブロックは、痛みの信号を伝える神経を、局所麻酔薬で麻痺させたり、アルコールなどで破壊する方法です。
膵臓がんに対しては、しばしば腹部の神経に対する神経ブロックを行ないます。
脊髄鎮痛法は、モルヒネなどの鎮痛薬や麻酔薬を脊髄や骨盤から脊髄に注入する方法です。
持続的に注入するときには、カテーテルを脊髄などに留置します。
神経ブロックや脊髄鎮痛法は麻酔医が行ないます。
専門的な知識や技術が必要で、治療を受けている病院で対応していないときには、麻酔科を持つ病院やペインクリニックに相談します。
ペインクリニック
痛み治療を専門に行なう施設。
神経ブロックや薬物療法、レーザー療法、理学療法、心理療法などを用いて治療する。
骨にがんが転移したときの痛みを治療
放射線照射やビスホスホネート剤、麻薬系の鎮痛薬が痛みを和らげる効果を持ちます。
筋肉の引きつりによる痛みの治療
筋肉が引きつるときには、痛む部分をマッサージしたり、症状に応じて冷やしたり、温めたりします。
患者さんをリラックスさせる心理療法も重要です。
モルヒネは効果がないので、薬は筋弛緩薬を用います。
筋弛緩作用をもつ抗不安薬ジアゼパムを用いることが多いです。
その他の痛みの治療
腹が張るために生じる痛みや腹部の差込み(疝痛せんつう)には、腹部のけいれんを抑える鎮痙薬(ちんけいやく:ブチルスコポラミン)を用います。
痛みを引き起こしている原因が分かっているときには、原因を取り除く治療をします。
例えば、便秘には下剤(緩下薬かんげやく)を使ったり、帯状疱疹に対しては抗ウイルス薬を用いたりします。
患者さんの痛みが周囲の人に理解されないと、痛みはより強くする心理的原因になります
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