前立腺がん転移・再発時の治療
前立腺は男性だけが持つ臓器
前立腺がんが著しく増加しています。
これは、脂肪分の多い欧米型食生活を送る、日本人が増えているためといわれています。
前立腺がんは、比較的成長が遅くて進行が緩やかながんです。
高齢者になってこのがんを発症した患者さんでは、排尿スムーズでなくなったり、頻尿になることがある以外には、特に症状が現われず、治療を行なわなくても寿命に影響しないことがあります。
しかし、前立腺がんの中でも比較的悪性度の高いがんは、膀胱や精嚢、前立腺がんの周りの脂肪組織などに浸潤します(局所進行)。
骨や肺、肝臓などの離れた臓器やリンパ節に転移することもあります(遠隔転移)。
局所進行がんの治療
局所進行がん(前立腺の周囲の組織や臓器にがんが浸潤している)では、一般に放射線照射とホルモン療法を組み合わせて治療します。
局所進行がんでも、がんが周囲にそれほど広がっていなければ、手術でがんを切除した後、ホルモン療法や放射線療法を行なう例もあります。
前立腺がんの放射線治療
放射線には、体内に放射性物質を埋め込む小線源治療と体外から放射線を照射する外部照射があります。
局所進行がんでは、両者を併用するか、外部照射のみを行ないます。
前立腺がんホルモン療法
ホルモン療法では、男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを抑える治療をします。
前立腺がんは、基本的に男性ホルモンによって成長が促されるためです。
治療では、男性ホルモンの分泌を抑える薬(LH-RHアナログ、LH-Rアゴニスト)や、男性ホルモンの作用を妨げる薬(抗アニドロゲン剤)を用います。
男性ホルモンを分泌する精巣(睾丸)を切除する方法もありますが、一般的ではありません。
前立腺がん遠隔転移の治療
がんが骨やリンパ節などに転移しているときには、ホルモン療法となります。
治療では、男性ホルモンに対抗する薬を使用します。
前立腺がんの場合、がんが転移していても、ホルモン療法の効果はかなり高く、ほとんどの患者さんではがんの成長を2〜3年間抑えることができるとされています。
前立腺がんの再発・再燃の治療
ホルモン療法も2〜3年のうちに治療効果が薄れて、がんが再び成長し始めることを「再燃」と呼びます。
ホルモン療法では、治療効果が見られないときには、抗がん剤を使うことになります。
他方、前立腺がんに対して、手術や放射線治療を行ない、完全にがん細胞を取り除いたと見なされたときでも、がんが再発することがあります。
手術で切除した部位の周囲で再発が起こったとき(局所再発)は、放射線治療かホルモン療法を行ないます。
放射線治療後の局所再発に対しては、ホルモン療法を行ないます。
前立腺がん緩和療法
がんの成長を止められなくなったときには、がんの症状を抑える緩和療法が中心になります。
前立腺がんは、骨に転移しやすいため、骨に放射線を照射したり、骨の溶解を抑える薬を使用して、骨の傷みをやわらげます。
背骨(脊椎)にがんが転移しないよう、予防的に放射線を照射することもあります。
がんが背骨に転移して、その中の脊髄を圧迫すると、手足にしびれや痛みが生じたり、まひが起こったりすることがあります。
前立腺がんを発症すると、多くの患者さんが、大きくなったがんによって、前立腺の内部を通る尿道が圧迫されて尿が、出にくくなります(頻尿になることもあります)。
この場合、膀胱の出口の筋肉を緩める薬で、尿を出やすくしたり、尿道を圧迫しているがんを切除したりします。
尿道の内部に細い管(ステント)を入れて、尿道を押し広げたり、細いカテーテルをペニスの先端から膀胱まで、通して尿の通路を作ることもあります。
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- 終末期における緩和ケア
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