ビタミンKの主な生理作用とは
植物の脂肪から新たな脂溶性ビタミンが発見され、ビタミンKと命名されました。
ビタミンKは、K1からK7まであります。
天然に存在するのはK1(化学名フィロキノン)とK2(化学名メナキノン)で、K3からK7は化学的に合成されたものです。
ビタミンKには、2つの作用が知られています。
1つは、血液凝固因子の合成を補酵素として助ける作用。
けがや炎症による内出血を起こしたとき、血液にはその出血を止める凝固機能が備わっています。
血球成分では、血小板が血液凝固に働きますが、液体成分である血漿中にも血液凝固因子が含まれています。
血液凝固因子は現在、13種類が知られていますが、その第V因子のプロトロンビンやZ、\、]因子となるたんぱく質の合成には特定の酵素が、ビタミンKはこの酵素の成分です。
ビタミンKが欠乏すると、血液凝固因子が機能しないで血が固まらないで、出血傾向となります。
もう1つは、カルシウムの代謝で、骨に含まれるたんぱく質でもっとも多いのは、ビタミンCが合成に関わるコラーゲンですが、次に多いのがオステオカルシンなど、ビタミンKが合成に関わるたんぱく質です。
オステオカルシンは、カルシウムの骨への沈着を促進しますので、骨を丈夫に保つためにも、ビタミンKが必要です。
ビタミンKの薬理効果とは
出生直後の赤ちゃんに起こる、新生児K欠乏性出血症を防ぐため、妊娠後期の女性は、ビタミンKを過不足なく摂取するようにすすめられ、骨粗鬆症にもビタミンKの効果が確認され広く使われています。
日本では、生後6ヶ月までの乳児は1日4μg、1才までは1日7μg、その後は体重1kgあたり1μgの摂取が目安量とされています。
成人では、潜在的なビタミンKの欠乏状態を回避できる摂取量で、1μg/kg/日程度を1日目安量とすることが、適当であると考えられ、設定されています。
成人で、体重60kgに人なら、1日60μgということになります。
ビタミンK欠乏症は
K2は微生物が作るビタミンで、腸内細菌の働きが整う1才ぐらいからは、1日1.0〜1.5mgものK2が腸内で合成され、吸収、利用されるので、ビタミンK欠乏症はごく稀にしか見られません。
その稀な例とは、抗生物質を長期に服用している場合、またはビタミンKの吸収に必要な胆汁の分泌が悪くなる、肝臓症の場合などで、しかも食事からのビタミンKの摂取が不足している場合に限られます。
ビタミンK欠乏症がより深刻な形で起こるのは、生後1週間前後までに赤ちゃんの、便が黒っぽくなることがありますが、これは新生児出血症(新生児メレナ)といい、消化管出血の症状であることが知られています。
新生児は、腸内細菌が発達していないためにK2が合成されないで、また合成が始まってからも、その吸収に必要な胆汁の分泌が、十分でないため、母乳中にビタミンKが不足していると、ビタミンK欠乏症を起こしやすいのです。
すくすく育ち始めたかに見えた赤ちゃんが、生後3週〜2ヶ月で突然、頭蓋内出血による、嘔吐やひきつけを起こす例も見られます。
この場合、ビタミンKの注射で全治するのは半数で、後も半数は、後遺症が残るか、死亡します。
ビタミンKの過剰症の報告は今のところないので、上限量は設定されておりません。
ビタミンKを多く含む食品とは
天然型のK1は植物の葉緑体で作られるので、緑色の野菜や海藻に、K2は微生物によって作られるので、納豆などの発酵食品に多く含まれます。
キャベツ、レタスは芯に近い部分よりも、よく日光に当たった外葉のほうが、ビタミンKを多く含んでいます。
納豆は極めて効率のよいビタミンKの補給源で、1パック(50g)で300μg以上のビタミンKが摂れます。
緑茶も優れたビタミンK補給源で、抹茶を1日一杯飲むこともよいです。
ビタミンKの薬との相互作用
ワルファリンカリウム(ワーファリン)は、抗血液凝固作用を持つ薬で、血栓が引き起こす種々の病気の治療や心筋梗塞、脳梗塞などを予防するために用いられます。
ビタミンKは、ワーファリンの抗血液凝固作用を阻害し、薬の効果を弱め、血栓形成が促進されます。
ワーファリンを服用している方は、ビタミンKを多く含んでいる食品の摂取を避けてください。ほうれん草、ブロッコリー、キヤベツ、乾燥わかめ、納豆、抹茶。
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