活性酸素とフリーラジカル

活性酸素とフリーラジカルの違い

活性酸素にスーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素の4種類があります。

 

それぞれの分子を見ると、過酸化水素や一重項酸素では酸素と同様、すべての電子が2個ずつの対になっていますが、スーパーオキシドとヒドロキシルラジカルの分子は対からあぶれた1個の電子を持っています。

 

この電子を不対電子(ふついでんし)といいます。

 

Aという物質がBという物質から電子を奪うことを、AがBを酸化する、BがAによって酸化されたと現在の化学で表現します。

 

不対電子があると、他の物質から電子を奪って安定しようとするので、その物質は非常に強い酸化作用を持ちます。

 

このような不対電子を持つ物質を、フリーラジカル(ラジカル)と呼んでいます。

 

周囲の物質を次々に酸化するのがフリーラジカルの特徴です。

 

活性酸素の中で、スーパーオキシドとヒドロキシルラジカルはフリーラジカルですが、過酸化水素と一重項酸素はフリーラジカルではりません。

 

ヒドロキシルラジカルはスーパーオキシドに比べ、数十倍酸化作用を持つ危険分子で、体内にひとたび現われると、細胞をさまざまな形で傷をつけます。

 

これらのラジカルの仲間が細胞膜の自動酸化の引き金になることです。

 

細胞の内も外も水で満たされる一方で、細胞膜は、多価不飽和脂肪酸(PUFA)を豊富に含む油でできています。

 

脂肪酸とは炭素原子が鎖状に並んでものです。

 

炭素原子が4本の手のうち2本は隣り合った炭素原子同士で繋ぎ合っていますが、残る2本の手をどうしているかで脂肪酸の性質が決まってきます。

 

残る2本の手がすべて水素原子と結び合って鎖の形がきれいに整った物を、飽和脂肪酸と呼んでいます。

 

バターやラードが常温で固形であるのは、この飽和脂肪酸を多く含むからです。

 

あいた手を塞ぐ水素原子がもしもなければ炭素原子は残る2本の手をお互いに繋ごうとするので、鎖の形が崩れます。

 

この状態を二重結合といい、二重結合がある物を、不飽和脂肪酸(LH)、また二重結合が2ヶ所以上あるものを多価不飽和脂肪酸(PUFA)と呼んでいます。

 

PUFAを豊富に含むサラダ油は液状でサラサラしていますが、細胞膜も同じようなものです。

 

そのデリケートな性質が保たれることで、細胞は必要な物質を膜を通して取り入れ、老廃物を外に出す生命活動を初めて営むことが出来るのです。

強力なフリーラジカルが細胞膜を攻撃

PUFAはたちまち酸化され、脂質ラジカルというものになります。

 

脂質ラジカルは酸素によって直ぐに酸化され、脂質ペルオキシルラジカルになります。

 

この脂質ペルオキシルラジカルは細胞膜中のPUFAを酸化し、過酸化脂質を生成する一方、ふたたび脂質ラジカルを作ります。

 

脂質ラジカルや脂質ペルオキシルラジカルは、活性酸素ではありませんが、油の中に発生するフリーラジカルの一味です。

 

フリーラジカルによる最初の一突きをきっかけに、これら油のラジカルが発生するとドミノ倒しのように、細胞膜のPUFAを酸化する連鎖反応が続くことになります。

 

このことを指して、自動酸化と呼んでいます。

 

自動酸化が続けば、細胞膜のPUFAは減り、過酸化脂質が蓄積します。

 

これは使い古したサラダ油に起こる現象と同じです。

 

古くなったサラダ油が黒ずむのも、酸化したコーヒー豆がツンと鼻を突く臭気を発するのも、油の酸化が進み、過酸化脂質が増えるせいですが、同じことが細胞膜で起こります。

 

過酸化脂質が蓄積した細胞膜は、もはや膜としての正常な機能を果たせなくなります。

 

細胞は異常細胞になるか、次々に死んで壊されるかの運命をたどります。

 

体内のある臓器でこの自動酸化が続けば、その臓器には障害が及び、病気になります。

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