運動目的はダイエットではない
コレステロールを減少させるために、食事療法と並んで大切なのが運動療法です。
運動を日常生活に取り入れることはダイエットのためと考え違いです。
確かに、肥満の解消や標準体重の維持に役立ち、太りにくい体質を作ります。
ただし、運動で消費できるエネルギーは以外と少なく、減量が目的なら長続きしません。
単に食事量を減らすだけでは必要な筋肉まで失われてしまうので、健康的なダイエットに運動は必須です。
運動療法の一番の大きな目的はダイエットではありません。
運動することで、さまざまな効果が得られます。
全身の持久性体力のよい指標とされる、最大酸素摂取量は、運動することで明かに増加します。
最大酸素摂取量の高い人ほど、活動的な健康寿命が長く、寝たきりになりにくいとされます。
心臓のポンプ機能の改善や冠動脈の狭窄の進行を食い止めることができたり、冠動脈のプラークを安定化させ、血液の粘度を低くすることで、血栓のできるリスクを減少させることができます。
運動は中性脂肪を減少させ、HDLコレステロールを増やします。
血圧を低下させ、インスリン感受性を改善することで血糖値を下げます。
肥満やストレス解消の手伝いもします。
有酸素運動とは
有酸素運動(持久性運動)とは大きな筋群を用いて、長時間続けて行うことができる全身運動のことです。
ウォーキングやサイクリング、スイミングなどがこれにあたります。
有酸素運動を10分以上続けていると、運動のエネルギー源として利用される脂肪の割合が、段階的に増えます。
運動で消費できるエネルギー
50才で体重55kgの女性が、軽いジョギングを20分続けたときの消費エネルギーは、約130kcal。
長距離選手が42.195kmのフルマラソンを走りきっても消費するエネルギーは240kcal。
それに対して、お茶碗に軽く1膳のご飯は約150kcal。バナナ1本(大)は約170kcal。
無酸素運動
重量挙げやウェイトトレーニングなど、瞬発的に力を必要とする運動。静的運動、等尺性(isometric)運動ともいう。
適度の運動
体力維持・増進のためには、計画的で反復性のある身体活動や、意図的にウォーキングや水泳などの運動を行なう必要があります。
これは積極的な運動療法です。
運動をしたくない、忙しい、時間がないという人に対して、運動を強要しても長続きしません。
エレベータを使わず、階段を昇ったり、短い距離は車を使わず歩いたりなど、家や職場ではこまめに動く、単時間の簡単な身体活動も行うことも、大切な運動療法です。
有酸素運動がHDLコレステロール値を上げたり、中性脂肪の値を減少させるといっても、一度にたくさんするより、できれば毎日、少なくとも週に3回くらい行なう方が効果があります。
最初は低いレベルから、1日5分程度の短い時間から始め、ゆっくり強度をあげていくことが大切です。おおよその目安は1回20〜30分くらいです。
軽い運動でも長期間続けることによって、運動効果が期待できます。
ウォーキング、エアロビクス、スイミング、サイクリング、水中ウォ−キングなどあります。
無理をしないで、楽しんでできるものを選ぶことが長続きするコツです。
有酸素運動だけでなく、ストレッチング(ほぼ毎日)や軽い筋肉運動(少なくとも週2〜3日)も合わせて行うことが必要です。
最大酸素摂取量50%程度の運動
運動は、最大酸素摂取量の50%程度が適量といわれ、有酸素運動は、十分呼吸して体内に酸素を取り込みながら行ないますが、1分間に体内に取り込むことができる酸素の最大量が最大酸素摂取量です。
最大酸素摂取量の50%程度の運動とは、軽く汗をかく程度、一緒にやっている人と会話をしながらできる程度の運動です。
運動の強さは、心拍数に反映され、人それぞれ運動する上で、もっとも適した心拍数は異なり、最大酸素摂取量の50〜70%の運動を続けたときの心拍数が目標心拍数と呼ばれ、運動を行なうときの目安となります。
心拍数を知るためには、運動中か運動直後10秒以内の脈拍を計測します。
手の平を上にして親指の付け根を人差し指と中指、薬指で押さえ、15秒間脈を数え、それを4倍して1分間の心拍数を求めます。
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