亜鉛は体内の非常に広い範囲で働く
亜鉛が不足するとさまざまな部分に障害が起きる
アルコール代謝酵素など肝臓の働きにも深く関与しています。
免疫機能の主役T細胞やナチュラルキラー細胞の働きをよくします。
亜鉛製剤を飲むと風邪を引くにくくなるとも言われています。
また亜鉛は精神的な部分にも関与していて、亜鉛不足になると、無動症といってじっと動かなくなったり、うつ的な部分にも陥ります。
どうしてもそのようになるのかは、今のところ解明されていませんが、記憶や学習を司る脳の海馬に亜鉛が豊富なことが分かっています。
脳には亜鉛が多く含まれる神経繊維がたくさんあります。
もしかしたらそのあたりが関与していると専門家はいいます。
でんぷんなどの糖質を食べると、消化されブドウ糖になり腸管から血液中に吸収される。
それから血液中の糖を回収し、体中の細胞に取り込ませるのがインスリンというホルモンです。
細胞にはインスリンの受容体があります。
受容体にインスリンが結合することで、細胞に糖が取り込まれます。
ところが亜鉛が不足していると、細胞が糖を取り込む力が弱くなるといわれています。
亜鉛はインスリンを作るためにも必要なミネラルです。
インスリンには亜鉛が2原子含まれているので、インスリンを正常に分泌し、働かせるには亜鉛が欠かせません。
亜鉛を十分な量摂取していれば、日本人に多い2型糖尿病の予防にもなり、すでに糖尿病になってしまった方でも進行を抑えることができるといいます。
亜鉛の主な働き
人体で有用な働きは、300を超えるさまざまな酵素を活性化します。
活性酸素の無毒化
生体は活性酸素から防御するためSODという酵素を作って応戦しますが、亜鉛はこのSODを構成するためには欠かせません。
生体膜の安定化
生体の基本単位である細胞を囲む細胞膜には脂質が多く、活性酸素によってダメージを受けやすいです。
亜鉛はその抗酸化作用により、細胞膜の酸化を抑え、安定に保つ働きがあります。
細胞分裂の際のDNAの複製に関与
亜鉛不足でDNAがきれいに分かれないと正常な細胞が生み出されないので、細胞の老化が始まったり、がんになったりします。
傷口の治りを早める
傷口が塞がるということは新しい細胞が産まれているということなので、どんどん亜鉛が使われます。
皮膚の健康維持
亜鉛はビタミンCとともに、肌の弾力性を保つコラーゲンの合成に必要です。
味覚・嗅覚の保全、唾液の分泌
味覚や嗅覚を正常に保つ。唾液を分泌する細胞にも亜鉛は不可欠です。
子どもの成長
亜鉛は成長ホルモンの機能維持や、骨の成長にも必要です。
骨粗鬆症の予防もカルシウムのほか、亜鉛があって初めてカルシウムは骨になります。
妊娠の維持
妊娠の初期の亜鉛を不足させると、奇形児の産まれる率が高くなります。
その結果、早産も増えています。
亜鉛は細胞分裂に関わっていて、胎児が成長するために母親の体内の亜鉛が大量に使われます。
そのため妊婦は、妊娠週数が多くなるほど血清の亜鉛値は減少します。
母体の亜鉛不足は、赤ちゃんの成育にも影響を与えます。
性腺分泌の活性
アメリカでは亜鉛は「セックスミネラル」と呼ばれて、精子を作ったり、卵子の発育を良くする作用があります。
亜鉛不足になると性欲が減退したり、生理不順を招きます。
また精液中の亜鉛はカルシウムやマグネシウムに匹敵するほど高濃度に含まれていることや、精液中の亜鉛濃度が精子の数や運動量を左右するということも確認されています。
ニ酸化炭素の移送に関与
亜鉛と関わる酵素で一番数が多いのは、赤血球の中に入っている炭素脱水酵素。
細胞が出した二酸化炭素を分解する炭酸脱水酵素は、亜鉛がなくては作用できません。
アルコール分解
アルコールを分解するアルコール脱水酵素は、亜鉛がないとアルコールを分解できないため、悪酔いをします。
免疫形成
T細胞やNK細胞など、免疫を作る細胞の働きに大きく影響します。
亜鉛を豊富に摂取をしていると風邪を引きにくくなります。
血中コレステロールの調整
亜鉛が足りなくなるとLDLコレステロール=悪玉コレステロールの酸化が進み、それが動脈壁に沈着して血管が狭くなり、高血圧や動脈硬化を引き起こします。
亜鉛は、その抗酸化作用により、LDLコレステロールの酸化を抑えます。
視力の維持
少しの暗くなるとものが見えにくくなる夜盲症はビタミンAが関与しているといわれていますが、ここにも亜鉛が関与しています。
ビタミンAの代謝に亜鉛が不可欠です。
精神の安定化
脳内で記憶を司る海馬には亜鉛が多く存在し、記憶力にも必要といわれています。
また、よくイライラしたり、攻撃性の高い人、うつ傾向のある人は、亜鉛の摂取が少ないといわれます。
潜在的な亜鉛欠乏に陥っている
亜鉛摂取量が不足しがちな理由のひとつに、日本食にはもともと亜鉛が少ないことです。
さらに肥料などの問題で、土中にミネラルが少なくなっています。
土の中にミネラルが少なければ、そこで育つ作物に含まれるミネラルも減少しています。
1日の亜鉛摂取量の3分の1をご飯から摂っていました。
お米は日本人にとって亜鉛の常用な供給源です。
お米離れが進み、日本人の亜鉛摂取は年々少なくなっています。
また、合成保存料などの食品添加物の中には、亜鉛の吸収を妨げるものが多くあります。
こういった添加物が使われている加工食品などを常に食べていると、亜鉛不足にますます拍車がかかります。
食事から摂取するの難しい人はサプリメントを活用
亜鉛はビタミンCと相性が良いので、一緒に食べると吸収率がアップします。
亜鉛が豊富なカキを食べるときにはレモン汁をかけるなど、食べ方を工夫しましょう。
逆に食べ合わせがあまり良くないのが、食物繊維とカルシウム。
多量の食物繊維やカルシウムと一緒に亜鉛を摂ると、亜鉛の吸収が阻害されることがあるので、食事から十分な量の亜鉛を摂ることが難しい人は、サプリメントで補うことも必要です。
その場合には、空腹時よりも食事と一緒に摂ると吸収がよいです。
亜鉛は許容量が広く、過剰症が起こりにくいミネラルですから、サプリメントでも安心して摂ってください。
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