抗がん剤は、細胞の分裂をさまざまなタイミングで妨害して細胞を殺す薬。

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抗がん剤治療(化学療法)の考え方

再発・転移したがんの治療

しかしこのとき、がん細胞だけでなく正常な細胞にもダメージが及びます。

 

がん細胞を全滅させるだけの抗がん剤を使うと正常な細胞も死んでしまうため、患者さん自身も死亡してしまいます。

 

このため抗がん剤治療は、がん細胞を完全に殺すのではなく、がんの成長を食い止めることが目標となります。

 

がんが進行せず、いつまでも成長や転移をしないでそこに止まっていてくれればよいのですが、残念ながらがん細胞の中には、薬に対する抵抗力を身につけて、生き残る性質(薬剤耐性)を持つ物が出てきます。

 

そのため抗がん剤は、次第に効かなくなり、薬を変える必要があります。

効く、有効、治るなどはがん治療の言葉

その解釈は、患者さん・家族側と医療者側の間で大きく異なっていることがあります。

 

がん治療の目標は、根治、延命、緩和に集約されます。

 

患者さん・家族側が効く、あるいは、有効という言葉を聞いた場合、根治する可能性があるか、少なくとも、延命ないしは、緩和の効果があると考えます。

 

医療者側から見た場合には、効くや有効は必ずしも延命や緩和の効果を指しているとは限りません。

 

むろん再発・転移を生じた患者さんを不安にしたくないという医療者側の配慮もありますが、言葉の意味についてのこうした理解の齟齬が原因となって、残された人生の貴重な時間を有意義に残すことができないという事態も生じる可能性があります。

 

抗がん剤治療によってCTなどの画像診断で、がんが消えた場合を「完全奏効(CR)」と呼びます。

 

また、がんが半分以下に収縮した場合を「部分奏効(PR)」と表現します。

 

医療者側は、患者さん・家族に対し、これらの表現の中の「奏効」については、「抗がん剤が効いた」あるいは「有効であった」と説明します。

 

しかしこの場合の奏効は、必ずしも延命を意味するとは限りません。

 

がんが消える、ないし小さくなることは、患者さん本人だけでなく医療者にとってもうれしいことです。

 

根治は難しいという本質的議論の中で、延命の質を踏まえて、治療方針を立てなければなりません。

 

すでに延命効果が証明されている、抗がん剤がある場合には、それら薬剤を比較して新たな薬剤、あるいは新たな薬剤の組み合わせにより、延命効果がどの程度改善されたかが評価の中心となります。

 

これらの意味とデータを理解した上で、治療を選択することが好ましいと考えます。

 

抗がん剤を投与しても、遠隔(全身)再発をきたしているがんを根治することは困難です。

 

その場合の治療の目標は延命と緩和になります。

 

抗がん剤治療の目的は延命であることが多いのですが、あくまでも生活の質を維持しながら、副作用が許容範囲内であることが条件となります。

 

抗がん剤による延命努力を最後まで図りながら、他方で生じた症状に対して緩和を行うことが、今日的な考え方です。

 

延命の望みを持ちながら症状を抑え、がんと共存することは可能です。

 

痛みが十分に取れないと生存期間が短縮するとされているので、十分な緩和を得ることも延命にとっては大切なことです。

 

抗がん剤はがん細胞を殺す効果を期待されていますが、その効果によって当然ながら正常細胞を損傷し、それが副作用を生じさせます。

 

乳がんや前立腺がんには、ホルモン剤による「静細胞効果」が得られる症例が多く存在します。

 

ホルモン剤は、ホルモンががん細胞を増殖させるように作用しているときには、その働きを抑えるのです。

 

がんを全滅させる力はないものの、副作用が少ないという利点もあります。

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