肝臓は、がんがもっとも転移しやすい臓器のひとつです。

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肝臓に転移したがん

消化器のがんは肝臓に転移しやすい

これは、肝臓には無数の毛細血管が網の目のように存在し、血管の流れもゆっくりしているためです。

 

血流に乗ったがん細胞は、肝臓内の血管で、ひっかかりそこで増殖するようになります。

 

胃や小腸、大腸などの消化器官からは血液が門脈という血管を通して直接肝臓に送られてくるので、消化器官に生じたがんは、高い確率で最初に肝臓に転移します。

 

大腸がんや胃がん、膵臓がんなどでは、がんと診断されたときには、同じに肝臓への転移が見つかることも少なくありません。

 

転移によって生じた肝臓がんは、転移性肝臓がんと呼ばれます。

 

消化器のがん以外では、乳がんや肺がんが肝臓に転移しやすいとされています。

 

転移性肝臓がんはしばしば、肝臓内の数ヵ所に同じに発生し、ときには数十ヵ所に生じることもあります。

 

このような多数のがんがほぼ同じに作られるのは、他の場所から血流に乗ってやってきたがん細胞が種となって、肝臓内のさまざまな場所で成長し始めたものだからです。

 

そのため、肝臓に1個でも転移性肝臓がんが見つかったときには、肝臓内の他の場所にも小さな転移がんが存在すると考えて治療を行ないます。

 

転移性肝臓がんの治療は一般に、元のがん(原発がん)に対する化学療法(抗がん剤の投与)が中心になります。

 

大腸がんのように肝臓への転移を抑えることができれば、手術などの局所的治療と全身化学療法が併用される例もあります。

 

手術

一般に肝臓内のがんの数が少ないときに選択されます。

 

がんが多数存在するときでも、それらの場所によっては、手術できることもあります。

 

肝臓は、再生する能力を備えた臓器です。

 

もとの肝臓の機能が正常なときには、全体の3分の1程度残せば、肝臓に必要な最小限の能力を維持できるとされています。

 

原発性の肝臓がんでは、肝炎や肝硬変のために肝臓の機能が低下していることが多いものの、転移性の肝臓がんでは、一般に肝機能の低下は見られないので、手術の対象となる範囲はかなり広くなります。

 

欧米での臨床試験の結果によれば、肝臓内に転移したがんが4個以内で、手術後に肝臓の半分以上を残すことができるなら、延命効果があります。

 

大腸がんは、最初に肝臓に転移しますが、転移先が肝臓だけであることも多いため、がんを安全に切除できるときには、延命効果はかなり高くなります。

 

完治する例もあります。

 

電磁波による焼灼法

がんを熱で固めて殺す方法です。

 

原発性の肝臓がん(肝細胞がん)では、焼灼法は、一般的な治療法ですが、転移性肝臓がんでも、この方法を選択することがあります。

 

この治療法では、がんに電極針を刺し、そこからマイクロ波やラジオ波を周囲に放射します。

 

電子レンジと同じ仕組みで、がんの内部で熱が発生し、がんの組織が固まります。

 

がんの大きさは、マイクロ波の場合は、直径2cm以下、ラジオ波では、直径3cm以下が望ましいです。

 

この治療は、体の負担が比較的少ないため、手術に体が耐えられない患者さんでも治療を受けることができます。

 

全身化学療法

肝臓がん以外にもがんが転移しているか、転移が疑われるときには、全身化学療法を行ないます。

 

抗がん剤は、発生場所のがん(原発がん)に態する薬を選択します。

 

対症療法

化学療法に効果がないときには、患者さんの生活の質(QOL)を向上させる対症療法が中心になります。

 

肝臓にできたがんが胆汁の通り道(胆管)を塞いだために、黄疸が生じたときには、胆汁を排出するドレナージ術を行ないます。皮膚の上から針を刺し胆汁を抜き取る方法と、消化管内に細い管を通して胆汁を吸い取る方法があります。

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