卵巣がんは、抗がん剤が効きやすいがんです。

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卵巣がんの転移・再発時の治療

卵巣がん(卵巣上皮がん)は、発見されたときには進行していることが少なくありません。

 

卵巣がんは、初期には目立った症状が現れず、かなり早い段階で転移や浸潤を始めるためです。

 

卵巣がんが成長すると卵巣の壁を突き抜けるため、卵巣の表面からがん細胞が周囲にばらまかれるようになります。

 

その結果、腹腔(腹の内部の空間)や臓器も包んでいる腹膜に、がん細胞が付着し、そこで転移がんとして成長し始めます。

 

これを腹膜播種と呼びます。

 

腹膜播種が起こると、小さながんが膀胱や直腸などの表面で多数成長します。

 

それだけでなく、胃の下から垂れ下がる大網(たいもう・大腸や小腸の上にかぶさっている脂肪の網)や、肝臓の表面にも、播種によるがんが発生することがあります。

 

卵巣がん患者さんの3分の2は、がんと診断されたときには、腹膜播種を起こしています。

 

卵巣がんは浸潤もしやすく、卵管や子宮にしみわたるように広がっていきます。

 

さらに、がん細胞が血流に乗り、肝臓などの離れた臓器に転移することもあります(遠隔転移)。

 

進行がんの治療

卵巣がんは転移・浸潤を起こしやすいものの、その大部分は、抗がん剤への感受性が高く、抗がん剤が効きやすいという特徴を持ちます。

 

卵巣がんが腹膜播種や他の臓器への転移・浸潤も起こしやすい場合、治療ではまず出きる限り、がんを手術によって、切除し、その後、体内に残るがん細胞を殺すためには、抗がん剤を投与します。

 

患者さんの体力がないとき、先に抗がん剤を投与し、がんが小さくなってから、手術を行うこともあります。

 

抗がん剤は通常、全身に行き渡るように静脈などを介して投与します。

 

しかし、腹膜播種に対しては、腹腔内に直接、抗がん剤を投与することもあります。

 

卵巣がんの再発の治療

卵巣がんは再発の多いがんです。

 

初期のうちに発見されて十分な治療を行なわれた場合でも、再発の可能性は小さくありません。

 

再発したときには、一般に化学療法を行ないます。

 

がんの存在する範囲が狭い場所に限られているときや治療から時間が経過しているときには、手術を検討します。

 

抗がん剤は、一般に最初の治療と同じ薬を使用します。

 

しかし、治療後半年以内に再発したときや、最初の治療で抗がん剤の治療効果が低かったときには、別の抗がん剤を用います。

 

抗がん剤治療効果が見られないときには、がんが限局していれば、放射線療法を行ないます。

 

卵巣がん緩和療法

卵巣がんは、抗がん剤の効果が高いため、緩和療法の段階に入っても、症状をやわらげるために、副作用の小さい範囲で抗がん剤を使用します。

 

卵巣がんは、腹に水(腹水)が溜まることが多いので、腹水の管理が重要な緩和療法にひとつになります。

 

卵巣がんでは、腹膜播種によって、引き起こされるがん性腹膜炎が原因で、腹水が増えるので、腹腔内に抗がん剤を投与する治療を行うことも多いようです。

 

卵巣がんが進行すると、小腸や大腸が、がんで詰まったり、押しつぶされたりして、腸が内容物を押し出しにくくなることがあります(腸閉塞)。

 

このような症状が生じたときには、手術が可能な状態ならがんの一部を切除します。

 

腸の内部に金属の管(ステント)を入れて内部を押し広げ、内容物が通過しやすいようにすることもあります。

 

積極的な治療ができないときには、消化器からの分泌液を抑える薬や消化器の筋肉の緊張を緩める鎮痙薬(ちんけいやく)などを必要に応じて使い分けます。

 

鼻からチューブを通し、消化器に溜まったガスや腸液を抜くこともあります。

 

がんが脳に転移したときには、放射線治療を行ないます。

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