虚血性心疾患は冠動脈硬化が原因。

スポンサードリンク

冠動脈のアテローム硬化

心臓の周りを冠のように取り巻き、心臓の筋肉(心筋)に酸素や栄養分を送っている血管を冠状動脈といいます。

 

冠状動脈には右冠状動脈と左冠状動脈があり、左冠状動脈は途中で左前下行枝(ひだりぜんかこうし)と左回旋枝(ひだりかいせんし)の2本に分かれ、左冠状動脈の入口部から分枝までを、左主幹部動脈と呼びます。

 

この冠状動脈に動脈硬化や冠れん縮(スパズム)が起こり、血管の内腔が狭くなって心筋への血流が悪くなると、酸素の供給が低下し、心筋の酸素需要に供給が間に合わなくなります。

 

この一過性の酸素不足状態を心筋虚血といい、一過性かつ可逆性の心筋虚血で起こる症候群が、狭心症です。

 

何らかの原因で冠動脈硬化のプラーク(粥腫じゃくしゅ)が破錠すると、血栓(血の塊)が生じ、冠動脈が完全に詰まります。

 

これが一定時間以上すると、心筋の一部が壊死状態となり、これを心筋梗塞といいます。

 

この血栓ができることが、急性心筋梗塞の直接の原因です。

 

虚血性心疾患は、冠動脈硬化を基礎に心筋虚血が起こる状態をいい、狭心症と心筋梗塞に大別されます。

狭心症の原因は動脈硬化と冠れん縮

動脈硬化による器質的狭窄で起こるのが労作狭心症で、階段の昇降や運動時など、心筋の酸素需要が増大したときに狭心症発作が起こります。

 

労作狭心症は、この狭窄が相当、高度にならないと発症しません。

 

冠動脈の狭窄の程度と冠血流量との間には一定の関係があります。

 

50%程度の狭窄では最大の冠血流量に影響しないため、日常何の症状もなく生活している人もいます。

 

臨床的には75%以上の狭窄がないと病的としません。

 

労作とはまったく関係なく起こるのが、安静狭心症です。

 

これは冠動脈が急に過収縮(冠れん縮)するためで、夜間から早朝にかけての睡眠中や起床時に出現し、ストレス、たばこ、深酒などが誘因になります。

 

安定狭心症は、ある一定以上の労作や運動をしたときに起こり、安静にしていると消失する、比較的、安定した経過をたどるタイプといわれます。

 

不安定狭心症は、発作が次第に強くなり、持続も長くなり、安静時にも出現し、心筋梗塞や突然死の危険性も高いタイプといわれます。

 

狭心症は数分〜15分以内に治まり、胸痛は締め付けられる、押さえつけられるなど絞扼感(こうやくかん)、不快感、圧迫感、灼熱感を訴え、胸骨の下、前胸部以外に、首、顎、咽頭、背中などに出現し、ときに左上肢にも及びます。

 

冠れん縮(スパズム)

発作的に冠動脈が過剰に収縮した状態。安静狭心症の原因。

 

壊死

30分以上、血液が流れなくなり、必要な酸素や栄養を受け取れなくなると、組織や細胞が死滅する状態。

 

急性冠症候群

冠動脈のプラーク(粥腫じゃくしゅ)の破錠に続く、血栓形成が主な原因となる症候群のことで、急性心筋梗塞、不安定狭心症、突然死が含まれます。

狭心症と心筋梗塞の違い

狭心症

胸痛の特徴 締め付けられるような痛み、重苦しさ、圧迫感
持続時間 1〜5分までの短い発作長くて15分以内
起こり方 労作時、興奮時、食後、早朝から午前中の動き始めに多い。睡眠中、安静時にも

心筋梗塞

胸痛の特徴 激しい痛み、吐き気、発汗
持続時間 30分以上から数時間
起こり方 労作とは無関係に起こることが多い

不安定なアテローム硬化

動脈硬化は10才代より始まり、無症状で進行し、40才ころから症状が出現するようになり、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞等の原因です。

 

アテローム硬化は、腺維を多く含む安定したプラークと、脂質に富んだ不安定なプラークに分けることができ、不安定なプラークは、狭窄度が強くなくて、突然、破錠して血管を閉塞し、急性心筋梗塞や突然死などの原因です。

 

約7割は50%未満の狭窄度の血管から起こり、狭窄度が少ないと比較的小さい、柔らかく破れやすい、脂肪の多い、不安定なプラークが血栓を作る場所を提供して、心筋梗塞になりやくなります。

 

高度な狭窄をもたらすプラークは繊維化し、石灰化していて容易に破錠しません。

 

心筋梗塞の胸痛は強烈で30分以上持続して、冷や汗や吐き気を伴うことが多く、労作とは関係なく、睡眠中、休憩時に起き、早朝から午前に多く出現します。

 

発作が起きたら直ぐに救急車を呼び、必ず冠疾患集中治療室(CCU)のある病院へ行ってください。

 

虚血性心疾患予防には、喫煙、高脂血症、糖尿病、高血圧、肥満、運動不足などの危険因子をひとつでも減らすことが大切です。

 

心筋梗塞の50%近くは、何の前触れもなく突然起こり、プラークは動脈硬化の進展にともない白色かた黄色に変化します。

 

脂肪に富み、繊維が乏しく、被膜が薄いプラークは、黄色に見え、黄色プラークが不安定なプラークで心筋梗塞の原因です。

スポンサードリンク

page top